◆
つめの基礎知識
◆
◆ つめの硬さ ◆ つめは、皮膚の角質や髪の毛と同じようにケラチンというタンパク質でつくられています。ケラチンの硬さはシスチンという硫黄を含んだアミノ酸の量によって決まり、角質で3%、つめで12%、髪の毛で16%となっています。 したがって、つめが柔らかい場合はカルシウムが不足ではなく、硫黄を含んだアミノ酸が不足していることを疑います。 ◆ つめの半月 ◆ つめの根元にある半月形の乳白色の部分は、爪母と呼ばれるつめを作っている部分を示しています。つめの半月は幼児では少なく、20才前後で出現率は最大になり、その後は徐々に低下し、50才を過ぎるころから急速に減少します。 したがって、つめの半月がないのは病気の直接的なサインではありませんが、身体の状態を反映しているようです。 ◆ つめの伸びる速度 ◆ つめの伸びる速度は、指先を流れる血液の量によって影響を受け、血液の量が少ないと成長は遅くなります。成人では、手のつめで一日に約0.1mm 、足の指で一日に約0.4mm の速度で伸びます。一般に小指ではつめの伸びる速度がおそくなっていますが、指の長さと利用度の高さで違いが出るようです。
◆
爪の異常が示す身体の異常
◆
いくつかの病気では爪にも異常が出るので、爪の異常から隠れた病気を発見することが可能な場合もあります。以下にそのリストを掲載するので、参考にしてください。 ◆ ばち指 ◆ ばち指とは
ばち指とは、指の先端が膨らみ太鼓のばちのようになった指のことです。そのため爪が指先を包むようになっています。原因となる異常
原発性の肺がんでは約60%の患者にばち指が現れます。肺がんの症状が出ない段階でもばち指が出現するので、肺がんの発見に有効なサインとなります。肺がん以外にも、気管支拡張症で20〜30%、肺結核や肺膿瘍で20%の人にばち指がみられます。 また、先天性の心臓疾患では80〜95%、うっ血性心不全や亜急性心内膜炎では、25〜50%、肝硬変・慢性下痢などでも10%の人にばち指がみられます。 ◆ スプーン爪 ◆ スプーン爪とは
スプーン爪とは、爪の丸みが無くなって扁平になり、さらにひどくなるとスプーンのように中央が凹んでしまった爪のことです。原因となる異常
スプーン爪で診察を受ける女性の多くは、低色素性貧血(その多くは鉄欠乏性)が見られます。低色素性貧血では多くの場合、疲れやすい・息切れがするなどの症状が見られます。低色素性貧血では、20%の人にスプーン爪が出現しますが、逆にヘモグロビンが増加する病気でもスプーン爪が良く出現します。 低色素性貧血以外にも、甲状腺機能亢進症でもスプーン爪が出現します。しかし、指先に力のかかる仕事をしている場合でも、爪が変形しスプーン爪のようになるので、スプーン爪の判断には生活状況の確認が必要です。 ◆ 白っぽい爪 ◆ 白っぽい爪とは
白っぽい爪とは、爪の甲が透明で爪の下の色が薄い場合と、爪自体がすりガラスのように白くなった状態の二種類があります。原因となる異常
爪の甲が透明で爪の下の色が薄い場合は、低色素性貧血(その多くは鉄欠乏性)が考えられます。爪自体がすりガラスのように白くなった状態は肝硬変を疑います。肝硬変で入院している患者では、80%に爪の白濁がみられます。肝硬変では皮膚に毛細血管の拡張が見られたり、掌が赤くなったりします。 ◆ 赤褐色の爪 ◆ 赤褐色の爪とは
赤褐色の爪とは、爪の根元はすりガラスのように白くなった状態で、先端のほうが赤褐色の二層に色分けされた状態です。原因となる異常
赤褐色の爪は腎臓疾患に特有で、赤褐色の爪の人の80%は腎臓疾患が確認出来、残りの20%も腎臓機能の異常や肝硬変が見られました。爪自体がすりガラスのように白くなった状態は肝硬変を疑います。肝硬変で入院している患者では、80%に爪の白濁がみられます。肝硬変では皮膚に毛細血管の拡張が見られたり、掌が赤くなったりします。 ◆ 白線のある爪 ◆ 白線のある爪とは
白線のある爪とは、爪を横に横断するぼんやりとした白線で、一本の場合はミー線条といい、二本の場合はミュールッケ線条といいます。原因となる異常
ミー線条は、砒素中毒・タリウム中毒・ハンセン病・マラリア・心不全・ペラグラ・肺炎・心筋梗塞などに伴って出現する場合があります。ミュールッケ線条は、ネフローゼにより多量のタンパク質が尿から失われる場合に出現します。 ◆ 暗い赤紫の爪 ◆ 暗い赤紫の爪とは
暗い赤紫の爪とは、爪自体は透明で爪の下が暗い赤紫になることです。原因となる異常
炭酸ガスと結合したヘモグロビンは暗赤色になりますが、これが100ml中に5.5gを超えるとチアノーゼになります。チアノーゼは心臓や肺の病気で現れますが、指や踝の下の血行が悪くなっても現れます。寒い時期に指先が紫色になるのはこのせいです。 足の爪だけに認められる時には、糖尿病や閉塞性動脈硬化などが考えられます。 |