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冷え・ほてり


冷え・ほてりは病気?

 一口に「冷え」といっても、微かな悪寒(おかん)、手足が冷たい、手足の先端が冷える感覚などの症状があり、「ほてり」には、微かな発熱、顔面の紅潮、頭部の微熱感、手足の微熱感などの症状があります。

 「冷え」や「ほてり」はとてもよく見られる症状ですが、西洋医学では病気とは認められておらず、したがって家庭医学辞典の索引には載っていない言葉です。そこで、ここでは冷えやほてりの中医学的解釈による解説をします。

冷えとは陽の不足

 中医学では冷えを、体内の陽(陽の気)が不足したり傷害を受けて、体を温める機能が低下している状態と考えます。
 これを陽虚といい、発熱の無い悪寒、手足が冷たい、手足の先端が冷える感覚、顔色が蒼白い、脈が沈んで遅いなどの症状が見られます。

冷えの極まったほてり

 陽気の不足や傷害が進み、体内の陰寒が極めて盛んになると、陽気を外に隔離するため、身体の熱感・顔面の紅潮・口の渇き・脈は大で無力などの症状が生じる場合があります。
 この場合は真寒仮熱といいます。真寒仮熱では内臓が冷えているので、無気力・倦怠感・手足が冷たい・水様便などが見られます。また脈は遅く、尿は透明で色が無く、舌の色は淡白で、舌苔は白く潤っています。

ほてり(微熱感)とは陰の不足

 中医学では、ほてりを体内の陰が不足し、陽(陽の気)が外に浮散している状態と考えます。ほてりには、真寒仮熱、血虚発熱、陽虚発熱、気虚発熱などがあります。

 血虚発熱は、陽気が強いのではなく、陰血(血液は陰に属する)が不足したり傷害を受けているため、相対的に陽の気が盛んになり、陽の気が外に浮散している状態です。
 血虚発熱では、ほてり以外にも、動悸・不眠・唇や舌の色が淡い・脈は細く速いなどの症状がみられます。

 陽虚発熱は、陽の気が弱くなりすぎて、内に留まる力を失い、外に浮越している状態です。陽虚発熱ではほてり以外にも、顔面や四肢のむくみ・体や四肢の冷える感覚・精神活動の減退・水様の下痢・透明で多い尿・舌の色は淡いなどがみられます。

 気虚発熱は、脾に属する気が不足して、陽の気がコントロールできなくなっている状態です。気虚発熱では、ほてり以外にも、顔面蒼白・食欲不振・息切れ・倦怠感・舌の色は淡い・脈は虚弱などがみられます。

冷えやほてりの改善

 冷えもほてりも、人体の陰や陽が不足したり傷害を受けた結果として生じるものです。したがって、日々の生活で身体の陰や陽を損傷しないような注意が必要です。

 身体の陰や陽を損傷する原因の典型的な例は、腎の機能を使い過ぎた場合です。五臓の中で腎は生殖機能を担当します。そして腎には、使わなければ使わないほど良い状態を保つという特徴があります。したがって、性的なエネルギーを使うことは、ダイレクトに身体の陰陽(陰精と腎気)を消耗します。

 もう一つの身体の陰や陽を損傷する典型的な原因は、食事の不摂生です。五臓の中で脾は消化吸収機能を担当します。そして、脾は身体の要となる気血(陽の気と血液)を生じさせる源です。したがって、偏食や過食により脾を傷つけることは、ダイレクトに身体の陰陽(気血)を生成する力を損傷します。

 
 

 

 


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