糖尿病の概略
糖尿病は膵臓が分泌するインシュリンというホルモンの作用が不足する病気です。インシュリンの作用の不足は、膵臓の分泌するインシュリンの量が不足している場合と、細胞がインシュリンを受け取る能力に問題がある場合の二種類に分類されます。
インシュリンの作用が不足すると、血液中のブドウ糖濃度が上昇するのを抑えることが出来なくなり、高血糖を引き起こします。その結果、尿細管を尿が通過する際にブドウ糖を再吸収しきれず、尿中にブドウ糖が出てしまいます。
インシュリン依存型糖尿病は、インシュリンの量が不足しておこる糖尿病です。これは膵臓のインシュリン分泌細胞が、ウイルスや免疫異常によって破壊されて発病します。このタイプは15才未満の小児に多く、重症では一生にわたってインシュリン注射を必要とします。
インシュリン非依存型糖尿病は、細胞がインシュリンを受け取る能力に問題がある糖尿病です。糖尿病は遺伝的要素が強く、家族内に複数の糖尿病患者が出ることが多くあります。
したがって、遺伝的素質が発病の大きな要因ですが、通常は肥満と密接に関係があり、過食・運動不足・ストレスなども重要な発病の要因となります。
糖尿病の症状
インシュリン非依存型糖尿病は、ほとんど自覚症状の無い病気です。そのため尿検査で糖尿が発見されたり、後からトイレに入った人が糖尿独特の匂いに気付いたりして発見されることが多いようです。
しかし注意深く観察すると、のどが渇く・尿の回数と量が多い・体がだるい・痩せ始めたなどの変化に気付くことも少なくありません。これらの健康人でも一時的に見られる変化が継続します。
また、比較的早い段階で、手足のしびれ感や疼痛、ふくらはぎのこむら返りなどの糖尿病性神経障害が始まる人も多いので、これらの症状が出たら糖尿病を疑います。
インシュリン依存型糖尿病は、急に元気がなくなり、ぐったりして、次第に意識を失っていき、ほっておくと死に至る危険な病気です。これをケトアシドーシスまたは糖尿病性昏睡といいます。
インシュリン依存型糖尿病は小児に多く、重症では生きていくためにインシュリン注射が必要です。
危険な合併症
糖尿病は合併症が怖い病気といわれています。それは、高血糖だけでは深刻な自覚症状がほとんど無いため、深刻な合併症に進行するまで糖尿病であることに気付かない場合も多いからです。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、眼球の網膜を養っている毛細血管が、高血糖が続くために脆くなって、こぶが出来たり、出血したり、塞がってしまうために生じる病気です。
糖尿病を発病してから7〜10年の経過から始まり、進行すると視野に影が見えたり、物がかすんで見えるようになります。糖尿病網膜症が失明に至るのは、増殖性網膜症に進行して網膜剥離を引き起こした場合です。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体にある毛細血管が、高血糖が続くために障害されて起こる病気です。糖尿病を発病してから放置した場合でも、尿検査でタンパク尿が常時検出される顕性腎症期に至るまで約10年ほどかかりますが、顕性腎症期に至っても自覚症状はまったくありません。
これを放置しておくと顕性腎症後期に移行し、大量のタンパク尿・むくみ・高血圧などが出現し腎機能が急速に低下します。そして最終的には腎不全に至り、人工透析を必要とするようになります。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、高血糖が続くために、感覚神経や運動神経が障害されて起こる病気です。症状は、じんじんするようなしびれ感や針で刺すような痛みが、手足の末端を左右対称に走ります。この症状は夜間に悪化する特徴があります。
これらの感覚異常は、神経障害の進行により神経が麻痺すると、症状が消えるので注意が必要です。しかしそのときは、
また自律神経の障害が進行すると、起立性低血圧(立ちくらみ)・胃無力症・糖尿病性下痢・糖尿病性便秘・膀胱障害(残尿)・インポテンスなどの症状が現れることがあります。
動脈硬化
動脈硬化は糖尿病に特有な症状ではありません。しかし糖尿病患者の心筋梗塞をおこす頻度は2〜4倍、脳梗塞をおこす頻度は2倍になります。しかし、糖尿病と気付かないまま心筋梗塞や脳梗塞で死亡するケースを含めるとすれば、実際の危険率の上昇はさらに大きいと推定されます。
食事のアドバイス
悪い食事
肥満になる、砂糖・脂肪(特に動物性脂肪)の多い食事は発病のきっかけとなり、発病後の悪化を促進します。アルコールは、体が糖をコントロールする能力を低下させます。
タバコは動脈を痙攣(けいれん)させ、血流が低下するので、糖尿病とわかった時点でやめる必要があります。
良い食事
糖尿病は肥満の予防が重要なので、野菜・果物の中で糖分が少なく水溶性食物繊維の多い菜食の食事が理想的です。
有効なサプリメント
インシュリン依存型糖尿病は、ナイアシンの投与によりインシュリン注射の間隔を長く出来ます。ナイアシンの投与を継続することにより、インシュリン注射が不要になる事例もあります。
インシュリン非依存型糖尿病は、ビタミンCの投与により血糖のコントロール能力がある程度改善し、動脈硬化の進行がある程度抑制されます。
糖尿病性神経障害には、ビタミンB1・B6の投与により改善されることが良くあります。
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